2024/11/11
クラウドソフトの利用で会計・給与・請求書をまとめ…
コラム
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法によって、これまで書類を紙で管理していた多くの企業が対応に迫られるようになりました。
そうした中で、要件に沿った電子データの保存を確実におこなうため、電子帳簿保存法に則したシステムを導入する事業者が増えています。
この記事では、電子帳簿保存法対応のシステムを導入するメリット・デメリットについて解説します。
これからシステムを導入しようと考えている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
電子帳簿保存法とは、国税関係の書類や帳簿について、電子データによる保存を認める法律です。
かつては紙での保管が義務付けられていた帳簿書類ですが、現在では電子帳簿保存法で定められている要件を満たすことで、電子データとして保存することができます。
今回2022年1月に実施された法改正によって、2024年1月から電子取引における電子データの保存が「義務化」となりますので、企業は早めに準備に取りかかることが望ましいでしょう。
電子帳簿保存法対応のシステムを導入するメリットは、以下のとおりです。
・業務の効率化につながる
紙で書類を保存していると、たくさんある書類の中から必要な1枚を探し出すのにかなりの時間と労力がかかります。
またオフィスにいないと観覧できないため、外出先や在宅勤務での作業を効率的におこなうことができません。
電子帳簿保存システムの導入によりこれらの問題は解消されますので、業務効率化の向上が見込めます。
・書類を管理するスペースが減る
国税帳簿書類などを紙で管理していると、膨大な量になってしまい、データ保管のための物理的なスペースを占有してしまいます。
紙ベースで保存していた書類を電子データ化すれば、紙で残す必要がなくなり、オフィスの省スペース化が実現できるでしょう。
・セキュリティを強化できる
紙の書類の場合は、火事などの被害や盗難などによって紛失してしまうリスクが伴います。
データ化してクラウド上などで高いセキュリティが確保できれば、これらの物理的なリスクがなくなり安全に保存できます。
電子帳簿保存法に対応したシステム導入には、以下のようなデメリットがあります。
・システム導入にコストがかかる
電子帳簿保存法に適応したシステム導入のデメリットとしてあげられるのが、システム導入にかかるコストです。
PCやタブレットなどの購入費や、クラウドシステムの導入費用といった初期費用はもちろん、継続的に運用するにはランニングコストもかかります。
十分な比較検討をおこなったうえで自社に適したシステムを選び、コストパフォーマンスの高いシステムを導入するとよいでしょう。
・知見を持った人材を確保する必要がある
電子帳簿保存法に対応したシステム導入では、所定の条件を理解し、運用ルールの整備・管理をおこなう人材が必要不可欠です。
社内に知見を持った人材がいれば安心ですが、慣れていない方が運用すると紙で作成するよりも時間と手間がかかってしまいます。
社員教育や採用を通じて人材を確保するだけでなく、電子データ保存の負担が大きくならないよう、誰もが扱いやすいシステムを導入することが大切です。
電子帳簿保存法対応のシステムを導入するメリット・デメリットについて解説しました。
電子帳簿保存法に適したシステムを導入することで、業務効率化の向上やオフィスの省スペース化、セキュリティ強化などといった多くのメリットを受けることができます。
猶予期間が設けられているものの、今後は電子取引データの保存が義務化となりますので、早めに電子化保存のための環境整備を進めていくことをおすすめします。
弊社では、電子帳簿保存法をはじめとして、法改正などについても随時、共有いたしますので、お困りごとがございましたら、ぜひご相談ください。
K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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