2024/11/11
クラウドソフトの利用で会計・給与・請求書をまとめ…
コラム
「電子帳簿保存法」の改正により、会社の経理業務の内容が大幅に変わることになります。
経理担当の方や経理の責任者は、自分たちがこなす経理処理がどのように変わるのか、効率はどのように変化するのかといったことを把握することが重要です。
今回は、電子帳簿保存法の改正により変わる6つの経理処理について解説します。
目次
改正前までは、国税関係帳簿や国税関係書類において電子データの保存を採用する場合は、原則として3ヶ月前までに税務署長へ申請して承認を受ける必要がありました。
改正後は、この手続きが不要になりますので、事務手続きの負担が軽減されます。
改正前までは、国税関係帳簿や国税関係書類の電子データ保存には電子帳簿の保存要件が厳格に定められていました。
改正後は、簿記の正規原則(複式簿記)に則って記録され、いくつかの要件を満たすだけで電子データ保存が認められます。
また、従来の水準を満たしている場合は単純にデータ保存が認められるだけでなく、過少申告加算税が5%免税される特典が用意されます。
改正前までは、国税関係帳簿や国税関係書類の電子データ保存には高度な検索性が要求されており、複雑で面倒な項目設定により導入のハードルを高めていました。
改正後は、必須項目が「日付」など簡易的な3項目だけに限定されるため、検索性の確保のために必要な作業が簡素化されます。
改正前までは、国税関係帳簿や国税関係書類をスキャナ保存するにあたって、社内規程の整備などの適正事務処理要件が必要でした。
改正後はこれらが廃止され、定期検査に必要となっていた原本が不要になるため、紙書類をスキャンした後すぐにこれを廃棄することができるようになりました。
また、従来は2人以上での対応が必要だった事務処理も、単独で実施することも認められます。
改正前までは、国税関係帳簿や国税関係書類のスキャナ保存において、受領した人による自署に加えて、3営業日以内にタイムスタンプを付与することが必要でした。
改正後は自署が不要となり、かつ最長約2ヶ月と概ね7営業日以内にタイムスタンプを付与すれば良いという条件に緩和されます。
さらに、一定の条件を満たせばタイムスタンプ自体が不要になるため、業務効率が改善されます。
改正前までは、電子取引においてデータの形で受け取った国税関係書類について、印刷することにより紙媒体での保存が認められていました。
改正後は電子取引書類の出力保存が原則として認められないため、電子データでの厳格な保存が必要となります。
このように、電子帳簿保存法が改正されることにより、多くの経理業務が効率化・簡素化されるようになります。
簡素化される処理内容が多い一方で義務化された内容もありますので、改正後の内容をしっかりと把握して、問題なく効率よく経理処理を進められるようにしましょう。
弊社では電子帳簿保存法なども含め、最新の税務情報についてもサポートいたしますので、お気軽のお問合せください。
K&P税理士法人
山口 貴澄
経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援
大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。
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