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コラム

2021.02.01
経理担当者が突然辞める前にしておくべき3つのこと

経理の担当者から、突然、「仕事を辞めるつもりです」と言われた場合は、どのようにすればよいのでしょうか。

今回は、その対応法についてみていきたいと思います。
※なお法律上は、14日前に退職届を出せば辞めることができます。会社側はこれを止めることはできません。ただ、急に辞めざるを得ない状況であったとしても、1か月くらい前には辞める意思を伝え、後任者への引継ぎ期間を設けるのが一般的です。

 

後任者の選定

経理の仕事は営業職のような派手さはないと言われることもありますが、「どの会社でも、必ず1人はいなければ会社自体が成り立たない仕事」です。そのため、経理担当者が突然辞めるとなると、会社の存続自体に関わるレベルのトラブルになる可能性もあります。

経理部門があり同僚が何人かいる、あるいは上司がいる場合は、突然辞めるという選択肢をとってもそれほど大きな問題にはなりにくいといえます。しかし「担当者が1人しかいない」「責任者が辞める」という場合は、後任者の選定を迅速に行う必要があります。

また、少し余裕があるのであれば、社内の人間に対して後任者を紹介するようにします。対外的な仕事をしている職種の場合は取引先に対してこのような挨拶を行いますが、経理担当の場合は、主に社内の人間に対して紹介を行うことになります。

後任者が見つからない場合でも、ある程度業務を引き継げる人間を探し出し、引継ぎを行う必要が出てきます。

適任者がいないのであれば、外部のコンサルタントに入ってもらったり、人材派遣会社を頼ったりすることも考えなければなりません。ある程度お金はかかりますが、代行業者に投げることも選択肢に入れるべきでしょう。

これらは経理担当者の一存で探せるものではありません。経理部長などの管理者や、社長が率先して探す必要があります。経理担当者が気兼ねなく辞められるようにするために、またその後の混乱を防ぐために、経理担当者から辞意を告げられた場合は迅速に動き始めるようにします。

最重要、「引継ぎ」は万全に

経理担当者から仕事を辞めると伝えられた場合、まず引継ぎを行うように指導しなければなりません。

次の担当者に、
・現在の業務
・給与計算や総務、会計入力の方法
・日次業務や年次業務のやり方、税理士との連携
などを引き継がせる必要があります。
辞めるまでの期間で、「新任の人が入ってきても、すぐに対応ができるように」とマニュアルを作る人もいます。紙、あるいはオンラインでマニュアルを作っておくとベストということも伝えましょう。

またもうひとつ重要なのは、「ブラックボックスを作らないこと」です。 1人で経理をやっていた人の場合などは、「自分が分かっているからいいや」ということで、明文化せずに仕事を行っていることもあります。しかしこの「ブラックボックス化された作業」は、引き継いだ人から見れば「どこから手を付けたらよいかわからないもの」になってしまいます。

「もともと職場全体で仲が良かったし、退職後も交流を持っていく」などの場合は後任者も相談しやすいのですが、多くの場合、社会人は会社を辞めてしまうと前の会社の人間と連絡をとらなくなります。また、「そもそも連絡をもらいたくない」という人もいるでしょう。ブラックボックスを作らないということは、会社側にとっては「その人が辞めた後も滞りなく業務を遂行していくこと」に繋がります。また、辞めていく経理担当者にとっても「退職したにも関わらず、前職の職場から煩わしい連絡が来ることを避けるための方法」でもあります。
会社側・辞めていく経理担当者側・後任者、三者全員のためにも「ブラックボックス化した業務の排除」に努めましょう。

だれもが分かりやすい経理事務ができるように整えることも重要

経理担当者が突然辞めると決めた場合、経理担当者本人にできることは意外なほどに限られています。
そのため、会社側の方でも前もって「経理担当者が突然辞めたいと言ってきたときのための対策」を講じる必要があります。

複数人を経理部門に配し、お互いの仕事を共有するのもひとつです。
ただそれ以外にも、クラウド会計ソフトを入れるという手もあります
クラウド会計ソフトは知識の少ない人間であっても入力しやすくなっていますし、また間違いがあっても気づきやすい仕組みになっています。
非常に考えて作られているため、経理担当者が一律でこれを使うことで、「その経理担当者しか知らないこと」も減らすことができます。

また、「税理士法人や経理代行サービスに力を借りる」という選択肢をとるのも有効です。税理士は税務・会計のプロフェッショナルです。決算や申告の相談に乗ることもできますし、「決算時期に突然経理担当者が辞めてしまい、時間がない」などの緊急の場合でも頼ることができます。

まとめ

経理担当者の辞職は、職場に大きな混乱をもたらします。 それを避けるために、経理担当者本人も、また会社側にも、相応の準備と日ごろの取り組みが求められます。

弊社では経理の代行業業務内容の改善について、「経理コンサル」業務もしておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事を担当した専門家

K&P税理士法人

山口 貴澄

専門分野

経理業務改善、経理体制構築、クラウドツール導入支援

経歴

大学卒業後、建築業界、学習塾の教室長などを経た後、ベンチャー企業の経理業務に従事。
その後、中小企業の経理業務の効率化に貢献したいとの思いから、会計事務所業界に転身し、2020年にK&P税理士法人へ入社。
前職で多業種から経理業務改善の相談に対応した経験から、クラウド・ITツールを活用した経理フローを構築し、経理業務の負担を圧倒的に軽減する提案に定評あり。
特に、マネーフォワードのクラウド会計の導入支援を得意とするほか、初級シスアド(現ITパスポート)、Excel表計算処理技能認定試験1級も保有。


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こうした経験をもとに、バックオフィス業務の改善に役立てていける ような情報を発信してまいります!

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