2024/11/11
クラウドソフトの利用で会計・給与・請求書をまとめ…
コラム
「突然、経理が辞めた」「経理担当者が安定しない」そんなお悩みの方もいらっしゃるのでは?
実は、突然の経理退職には様々なリスクが潜んでいます。 今回は、突然の経理退職に潜む、会社のリスクについて解説致します。
一言で経理と言っても、その業務は多岐に渡ります。また、業界や企業規模によっても経理システムや業務フローは全く違います。
したがって、突然の経理退職があったときに、すぐに新しい人を補充して辞めた人の業務を円滑に進めることはなかなかできません。
また、残ったメンバーでその穴を埋めようとしても、自分の担当業務に加え、辞めた人の代わりに慣れない業務をこなすことはかなりの負担となるでしょう。突然の経理退職は日常のルーチン作業すら滞らせるリスクがあります。
そもそも、経理の業務というのは、プロジェクトのような、複数人からなるチームにおいて互いの進捗を確認しあう仕事と違い、同じ人間が同じ業務を長年担当することで ブラックボックス化しやすい業務であることが多いです。長年同じ業務を担当していれば本人もやりやすいですし、周囲も「あの人に聞けば分かる」といった安心感が生まれます。
突然の経理退職を想定していない会社は業務をスムーズに行いたいがために、担当変更すらしないこともあります。結果、「その人しかできない・わからない」という業務が生まれ、属人化してしまうのです。
このような会社で突然の経理退職が起こってしまうと、その人以外は業務内容が分からず、今までスムーズに行われていた業務が滞るおそれがあります。
ベテランの年配の社員に多いのですが、長年同じ業務をしていると体で覚えてしまうからか、業務マニュアルを作っていないことが往々にあります。
こういった社員が突然の経理退職をしてしまうと、残されたメンバーはマニュアルのない中、過去の資料を見ながら見よう見まねで業務をする羽目になります。そんなことをしていてはミスが起こりやすくなるし、作業時間も余計にかかってしまいます。
マニュアルのない業務を行っている担当者の突然の経理退職はミスと社員の負担を生じさせるおそれがあります。
通常、業務を引き継ぐ際、普通の退職の場合は2週間~1ヶ月くらいの余裕をもって引継ぎを行うため、引き継いだ業務内容が全く分からないといったことはありません。異動や担当変更であれば、たとえ引継ぎ時間が少なくても分からないときは前任者に質問することもできます。
しかし、突然の経理退職の場合、引継ぎの期間はかなり短いことが多いです。最悪の場合は引継ぎもなく有給休暇の消化をして出社してこない人もいます。しかも退職してしまった後は質問することもできません。
突然の経理退職をするような人の場合、自分がやり残した業務や残された人の負担を配慮している人は少ないように思います。
特に、「請求業務」や「支払業務」といった取引先が存在する業務は、得意先への請求金額や請求期間、仕入先への支払期日は絶対に間違えられない重要業務です。これらの業務の引継ぎがなされていないと、相手にも迷惑がかかるし、会社の信用を失いかねません。資金繰りにも影響が出てしまいます。
また、決算書作成や税務申告等についても、引継ぎがないまま担当者が突然の経理退職となってしまうと、決算内容や申告内容の詳細について会計監査や税務調査で質問されてもうまく対応することは難しいと思われます。
いかがでしたか?
突然の経理退職というのは、今まで円滑に回っていた経理業務を滞らせ、ミスの発生確率を高め、残った社員の負担を増加させ、さらには会社経営を脅かすリスクが生じます。
突然の経理退職を他人事ととらえずに、定期的な担当変更、マニュアルの作成、そして引継ぎを十分にしてもらえるような関係性を気づいておくことが会社のリスクヘッジになります。
もし万が一、突然の経理退職により経理業務でお困りの方は、「経理代行」というサービスもございますので、まずはお気軽に弊社へご相談下さい。
K&P税理士法人
宮谷 祐史
経理業務改善、経理体制構築、経営計画・資金繰りサポート
某メガバンクで法人営業等を経験した後、某食品製造会社に転身。原材料の発注・在庫管理業務に従事した後、生産事業部にて生産ラインの効率化に貢献。2019年にK&P税理士法人に入社。クラウド・ITツールを使った業務の効率化の提案に定評があり、また、銀行折衝や、経営計画・資金繰り等の銀行提出資料作成のサポートも得意としている。マネーフォワード クラウド会計・クラウド給与 スペシャリスト認定。
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